宿題でよくある読書感想文を苦手とする人は多いかもしれません。
苦手のままにしておくよりも、得意だと胸を張れるようになりたいと思いませんか?
学校で書き方を習うこともありますが、基本的なステップやちょっとしたコツを知っていれば、ひと味違った読書感想文を書けるようになります。
この記事では、読書感想文を書くためのステップと構成例、書き方のコツを学年別に紹介します。
読書感想文を書くステップ
読書感想文を苦手とする人は、何から始めればいいのかわからず始めの一歩すら難しいものです。
宿題としてだけでなく、読書感想文を書くために本を読み、自分の考えを人に伝えようと考えることは、大人になっても役立ちます。
ここで紹介するステップを知って、読書の楽しさや感想を言葉にする力を育てましょう。
本を選ぶ
本の選び方のポイントは、『自分の興味のある本を選ぶ』です。
読書に慣れていなければなおさら、少しでも関心がある内容を選び、最後まで飽きずに読める本を選びましょう。
例えば、以下のような選び方がおすすめです。
- 作風が好きな著者
- 体験したことがある内容
- 興味のある人物、事柄
- やってみたいスポーツや行きたい場所 など
動物を飼っていたり興味があったりするならば動物園やペットが登場する本を選ぶ、歴史が好きならば偉人の伝記を選ぶなど、日常で興味のある分野やテーマに注目します。
自分が体験したことがテーマになっていると共感できて物語に入り込めるなどのメリットがあるため、集中して読める本を選びましょう。
また、課題図書から選ぶのも良い方法です。
課題図書には興味や関心が持てたり、新しい認識が得られて心が成長できたり、学習に役立つよう年齢に合った本が紹介されています。
夏休みの時期になると学校や近くの図書館、書店などで並ぶようになるため、実際に手に取って選びましょう。
本を読む
本をただ読むだけでは、読書感想文に何を書いたらいいのかわからなくなってしまいます。
読書感想文に書く内容を以下のように意識して読みましょう。
- 本の紹介をするために『何の本を読んだか』
- 感動、驚き、感心、発見などの心が動いた箇所『本を読んで何を感じたか、その理由』
- そこから考える『自分の意見や反映したい行動など』
大きく分けてこの3つを意識して本を読むと、感想が書きやすくなります。
学年が上がってより深く内容を理解できるようになったら、自分に当てはめて体験を書く、自分ならどうするかの意見や理由を考える、作者の意図を考えてどう思うか書くなど、本から得た知識に対しての考えを詳しく書くと、より良い読書感想文になるでしょう。
また、本を読みながら気になる箇所に付箋を貼ったり、購入した本なら線を引いたりして、重要な箇所が後からわかりやすいように工夫してください。
印象に残るセリフや疑問に思った部分ごとに色を変えて印を付けると、読んだときの自分の気持ちが思い出しやすくなるためおすすめです。
読書に集中したい人は、1回目は純粋に読書を楽しみ、2回目に大事だと思う所をチェックするやり方もあります。
感想文の構成を考える
感想文の基本的な構成は、題名、はじめ、なか、おわり・まとめです。
それぞれに何を書いたらいいか、あらかじめ考えておくとスムーズに書き進められます。
はじめには、本を選んだ理由や簡単なあらすじを書きます。
なかは、本を読んで感じたこと、心が動いた理由など、中心となる話題です。
おわりは、本を読む前と後の印象の違いや、学んだことを今後どう活かしたいかなど、読書を通して自分の何が変わったかを書いてまとめます。
中学、高校と学年が上がったら、年齢に合わせて細かく構成を分けて考えてみましょう。
例えば本論に『本の続きがあるならどういう展開になるか』を想像して書いてみるなど、オリジナルの要素を加えてより本の内容を掘り下げて書くと、良い読書感想文になります。
構成に沿ってメモする
次に、考えた構成に沿ってどんな事を書くかをメモしましょう。
メモの段階では箇条書きで構いません。
順番は気にせず思いついたことを書き出して、内容を整理します。
後から出来事順や印象が強かった順に並び変えてもいいのです。
そこに感想や意見を加えて、自分の考えを文章化して膨らませてください。
アイディアをメモすると、感想文に書きたいことがわかってきます。
一番書きたいことがわかったら、それを中心にして考えをまとめ、読書感想文を書きましょう。
細かい構成については、下で説明していきます。
メモを清書する
まずは下書きとして、メモを文章化してください。
一度で完璧な感想文を書こうとせず、メモを元に思ったことを文章にしましょう。
最後まで書いてみてから、構成の見直しや文体の直し、入れ替えなど推敲をして、いよいよ清書です。
原稿用紙に書く場合は、タイトルは上を2~3マス空ける、書き始めや改行は1マス空けるなどの正しい書き方を確認しておきましょう。
宿題では〇〇文字以上や原稿用紙の指定があるため、文字数が足りているかもチェックしてください。
読書感想文の構成例
読書感想文の具体的な構成は、以下を参考にしてください。
小学校低学年の場合は、簡単なあらすじと感動した場面、本を読んでどう思ったかの感想のみでも構いません。
学年に応じて詳しく書き込めるように挑戦しましょう。
『なぜこの本を選んだか』
本を選んだ理由から書き始めます。
- 好きなテーマ
- やってみたいこと
- 表紙に惹かれた
- 友達にすすめられた など
なぜこの本を選んだかの理由には、好みや興味が表れます。
どんなことを期待して手に取ったかもわかるため、後から振り返るときの手掛かりにもなります。
また、友達に勧められた、書店で目についたなど、本に出会ったきっかけを添えてもいいでしょう。
『どんな内容か(あらすじ)』
あらすじは最初から最後まで全部を詳しく書く必要はありません。
低学年のうちは登場人物がどこで何をするのか、起きた事柄、最後はどうなったか、など、簡単で構いません。
中学生、高校生なら内容を自分の言葉で要約して、簡潔に書きます。
あらすじで半分を埋めてしまうほど長くならないよう、どんな話だったか伝わる程度にまとめてください。
物語の場合、裏表紙や帯にあらすじが書いてありますが、丸写しにならないよう自分の言葉で書きましょう。
『心に残った内容』
本論になる部分で、本の中で心に残った内容について書きます。
- 印象に残った場面
- 新しく気づいたこと
- 自分と似ている体験
- 好きなセリフ
- 真似したい行動
- 疑問に思ったところ など
同じ本を読んでも、受ける印象は人それぞれ違います。
どうして心に残ったのか理由を考えて書くと、内容が整理できてより理解が深まります。
例えば、好きなセリフを抜き出してなぜかと理由を考えて、『ただかっこいいだけじゃなくて友達を思いやっての言葉に感動したんだ』とわかったら、そのセリフを言った登場人物をもっと好きになるでしょう。
自分だったらこうしていたと想像して理由も加えたり、作者の伝えたかっただろう意図を考えてどう思うかの意見を書いたり、アレンジしてみてください。
『読む前と後の気持ちの変化』
本を読む前に思っていた印象と、読んだ後の印象の変化を書きましょう。
本を選んだときにタイトルから、表紙や帯から、先生や友達から、それぞれ受けた印象がどんな気持ちだったかを思い出してください。
読み終わった後、気持ちはどう変化したでしょうか。
例えば「元気な冒険の話」と思っていたのに、読んでみたら「最後は悲しい結末だったが友情に感動した」など、本を読む前後の気持ちを言葉で表現しましょう。
意外な展開にこそ感情は揺さぶられるものです。
印象が大きく変化するほど、比較しやすく感想が書きやすくなります。
『本を読んでわかったこと』
最後のまとめの部分で、本を読んでわかったことや感じたことをまとめます。
- 学んだこと、気付いたこと
- 自分の今後に活かしたいことや決意
- 行動や考えの変化 など
このような結論になるように書くと、最後にまとめやすくなります。
学んだことや気付いたこと、本から得た知識を今後の生活にどう活用したいか、自分の考えがどう変わったかを掘り下げてみてください。
好きなセリフやおすすめのポイント、こんな人に合う本だと思う、などを最後の締めの言葉にすると、定型ではない自分らしさを出せる読書感想文に仕上がります。
学年別!書き方のコツ
読書感想文は小学生から高校生の宿題として定番で、大学生になると論文という形にも役立つ課題です。
最初は先生や保護者から書き方を習いますが、学年が上がると自分で考えて書けるように練習しなければなりません。
ここでは上手な読書感想文を書くコツを、学年別に紹介します。
小学生
小学生、特に低学年の場合は、まず本を読むことと文章を書くことに慣れるのを目標にしましょう。
最初は保護者から、面白かったと思うのはどこか、どんなところが好きか、不思議だと思う理由などを質問してあげると答えやすいため、気持ちを聞きながら言葉で表現する練習をするのがおすすめです。
また、文章を書くときは話し言葉と書き言葉の違いに注意して、仮名遣いの間違いに気を付けてください。
小学生も高学年になると感想文にも慣れてきます。
『〇〇と思った』という感想だけではなく、自分の意見や考えを表現できるようになるため、読書を楽しむ余裕が出てくるでしょう。
本の文章から引用したり、自分の体験から意見を書いたり、本を読んで感じた感情の理由を具体的に示したり、読む人に伝わるように考えて文章をまとめる練習をしてください。
中学生
中学生では、より深く内容を理解している前提で、説得力のある文章が求められます。
作者の意図を考える練習として、あとがきまできちんと読むと参考になります。
慣用句やことわざを取り入れて文章に変化をつけるのもおすすめです。
本を読んで感じたこと、考えたことや意見を理由まで明確に説明できるようにしてください。
メモを取ったり、構成を決めたり、コツさえ知れば中学生なら対応できるでしょう。
「こんなやり方がある」と保護者の方から提案してみるといいかもしれません。
なぜそう思ったか、感想の理由を深く掘り下げて、体験や具体例を絡めて読書感想文に取り組んでください。
受験で作文がある場合にも読書感想文で学んだコツは役立つため、やる気アップにつながります。
高校生
高校生では選ぶ本も難しくなり、内容を理解し自分のものにして論理的に書く力が必要となります。
本の内容をかみ砕いて説明できるように、メモを取るのを習慣化しましょう。
構成をしっかり考え、テーマや重要なこと、心に残ったことを中心に、感想文を組み立ててください。
自分の意見の理由を書くとき、新聞やニュースからの引用や過去に読んだ本との比較、歴史上の人物の偉業などを盛り込んで、より文章にふくらみをもたせるのもおすすめです。
受験時や大学生になると、小論文などという形で文章で他者に説明する機会も増えますが、メモの取り方や構成を作って肉付けしていく作業、語彙力などは必ず必要になります。
読書感想文で練習してきた本の内容を理解して自分の考えを掘り下げていく経験は、大人になっても役立つ力です。
まとめ
本を読むことで知らなかった知識や感情、経験を得て、気持ちを言葉にする楽しさを学ぶのが読書感想文です。
いきなり書き始めるのではなく、ステップを踏んでちょっとしたコツを意識しながら読むと、それだけで理解が深まり感想文が書きやすくなります。
本から得る情報を自分なりに考え、意見を書くのは最初は難しいかもしれません。
作者はこの本を書くことで何を伝えたかったのかを、読み取ろうと考えてみてください。
読書感想文は読解・語彙力などの国語の力をつけるだけでなく、思考力や創造力も鍛えられる効果があります。
まずは好きな本から始めて、いろいろなジャンルの本を読めるように読書の幅を広げ、本を通してさまざまな体験をする楽しさを味わってください。
読書の記録・管理ができるアプリ『行間知読書』は、本の一文から自分の考えを深めて意見を書けるアプリです。
瞬間の閃きを音声で記録して行間の意味を考える練習ができる『行間知読書』を活用して、読書感想文にも役立つ充実した読書生活を送りましょう。
▶行間知読書のダウンロードはコチラから