読書の最中、大事だと思うポイントや覚えていたい言葉を見つけた時、どうしますか?
文章の横や下に線を引いて目立たせる方法が、すぐに思い浮かびます。
『線を引く』という行為は、読書においてメリット・デメリットどちらもあり、選択は自由です。
それぞれの理由を知って、自分に合っている、または目的に合っているかを考えてみてはいかがでしょうか。
この記事では、線を引くメリットとデメリット、具体的な線の引き方アイディアなどを紹介します。
読書で線を引くメリット
本に直接線を引くメリットには、どんなことがあるのでしょうか。
メリットを知り、線を引いてみたいと思ったら挑戦してください。
ただし、購入した自分の本に限ります。
図書館などの公共の本や友人知人から借りている本の場合は、線を引いたり書き込んだりの行為はしてはいけません。
内容の理解が深まる
後から読み返したときに線が引いてあると、そこが重要な箇所だとひと目でわかります。
どこだったかと探さずに、ページを開けばパッと見てわかるのは手間を省き効率的に復習できることにつながります。
他の文章の中から重要な部分が浮き立って見えると、認識しやすくなり無意識に注目するでしょう。
本の内容を引用してスピーチする時など、わかりやすく目印になってスムーズです。
元々太字などで目立っている場合ばかりではないため、自分なりに解釈した重要ポイントがわかるのはメリットです。
疑問点や問題点がわかる
疑問点や問題点にも意識して線を引くのもおすすめです。
読んでいる時には覚えていても、読み終わったらどこを疑問に思ったのか忘れてしまうかもしれません。
疑問などを調べるのは、知識を深めるために役立ちます。
読書の途中でいちいち中断していては進まないため、読みながら疑問点や問題点を洗い出す作業として線を引き、後からその箇所を調べる方が効率よく学べるでしょう。
内容が記憶に残る
線を引いたら、当然自分の目で見ることになります。
視覚で『線を引いた』と認識して、その印象と記憶が自然と脳に残るのです。
他にも余白に意見や気づきを書き入れることを伴うと、より効果的でしょう。
本を読むというインプットと線を引くというアウトプットを同時に行うことで、記憶が定着しやすくなります。
内容が記憶に残る
大事だと思った箇所や疑問点、問題点、心に残った文章、興味をひかれた一文などに線を引いていくと、読み終わったその本にはたくさんの線が引かれているでしょう。
それは自分だけのノートです。
線を引くことで、自分だけがわかる、自分のためのノートが作れます。
以前どんな所を重要視していたかを読むと同時に確認できて、参考書より効率よく復習できるかもしれません。
他の誰にも通じないかもしれませんが、お金では表せない価値のある本となるでしょう。
読書で線を引くデメリット
線を引く行為にはデメリットもあります。
こちらもきちんと知って、判断材料にしてください。
本が汚れる
線を引く、または本に書き込むと、真っ白な状態ではなくなり、汚れることになります。
前述しましたが借りた本は綺麗に保って返却するのが常識で、線を引いて汚すのはご法度です。
購入した場合でも、大事にとっておきたい本や、いずれ売るかもしれない本に線を引いてしまうのは躊躇う人もいるでしょう。
これをデメリットと捉えるか、教材として割り切って汚す覚悟で線を引くか、人それぞれかもしれませんが、注意すべき点です。
本を読むのに時間がかかる
線を引くためにはペンを手に持つ必要があり、その動作にも物理的に時間がかかります。
また、大事な箇所などを探すことに意識が向きすぎてしまい、読書のペースが遅くなる可能性もあるかもしれません。
かといってスピードを重視して深く考えずにどこでも線を引いてしまうのは、本末転倒です。
じっくり時間をかけて読み解く気持ちで読書に取り組もうと切り替えて、時間を気にしなければいいのかもしれません。
読書の時間をそこまでとれない人にとっては、線を引くのは時間がかかるためデメリットになるでしょう。
線を引いて満足してしまい内容が理解できない
そもそも線を引く目的は、なんでしょうか?
大事なところを記憶したい、後から疑問点を調べたい、興味を持った箇所から知識を広げたいなど、色々あります。
しかし、『線を引くのが目的』になってしまうと、内容の理解よりも線を引くことに集中してしまい、流し読み状態になりがちです。
それだけで記憶したと勘違いして、頭の中から切り離されてしまっては逆効果の可能性もあります。
線を引くのは読書をするうえで内容を記憶するため、学ぶため、より深く楽しむための手段であり、線を引いて満足してしまいそこで終わってしまっては意味がありません。
具体的な線の引き方
本に直接線を引く方法はいろいろあります。
使う道具もやり方もさまざまで、自分に合った方法を選んでください。
ここでは3つの例を紹介します。
3色ボールペンを使う
3色ボールペン活用術という、明治大学文学部教授 齋藤孝氏の提唱している方法があります。
- 赤→一番重要なところ
- 青→それなりに重要なところ
- 緑→面白いと感じたところ(ボールペンにより色が違ったら緑ではなくても可)
この3色で線を引き、使い分けながら読書すると、自分にとってのわかりやすい本ができあがるのです。
赤は目立ちやすいため、一番重要だと感じた箇所に統一した方がやりやすいでしょう。
青は客観的に見るよう意識して、疑問点にしたり意見したい箇所にするなど、アレンジを加えてもいいかもしれません。
緑(または他の色)は自分の主観で感じたことを中心に、実践したいことや心惹かれる文章にするなど、ジャンルによって変わるところです。
後から読み直すときにどう感じて読書していたかひと目で見分けられるため、振り返りがしやすくなり、学習時の復習にも適しています。
実用書や参考書、ビジネス書などの学びに関する本に向いている方法です。
色分けを意識すると本から入ってくる情報が頭の中で整理され、重要度を精査する練習にもなり記憶しやすくなります。
2度目、3度目に読み返す際に注目すべき箇所がわかりやすく、最初に線を引いた時にどうしてこの色を選んだのか意味を考えることで理解度が深まるでしょう。
付箋を貼る
付箋を利用する方法では、粘着力が弱めの物を選ぶのをおすすめします。
しっかり貼れる物だと、のりで印刷された文字に影響が出てしまう可能性があるためです。
心配ならば紙を細く切ってしおりのように挟むなど、やり方を工夫しましょう。
どこに貼るかは自由で、後で貼り直しもできるため気軽に始められます。
興味を引かれた、感動した、ここを覚えたい、参考文献など好きな箇所に貼ってください。
色分けで重要度を分けてみる、初読と再読がわかるように色や外に出す長さを変えてみるなど、自分でルールを考えるのも楽しいものです。
また、ひと言感想や意見を残せるように、大きめの付箋を用意しても良いでしょう。
読書ノートを作る際にも、付箋なら該当ページをすぐに開けて時短になります。
外出先で付箋を忘れる事態を防ぐために、あらかじめ本に付箋を貼り付けて用意しておくといつでも安心して読書できて便利です。
目次をマーキングする
目次には本の情報が簡潔に載っています。
重要だと思う章や、ここが欲しかった情報だと感じた章にマーキングしておくと、必要な時にどのページを開けばいいのかわかりやすいでしょう。
また、読んだら目次のその章をマーキングしておく方法もあります。
最初から順番に読む場合も、章ごとに独立している話をバラバラに読む場合も使えて、ひと目で読み終わった箇所がわかるようになります。
読み進めるにつれて目次がマーカーで塗られていくと高揚感が得られたり、モチベーションアップに繋がるでしょう。
最後まで読み終えると全てが塗りつぶされて、達成感も味わえます。
本を汚さずに記録する方法
本に直接線を引くと汚れてしまうのは困るけれど、読書の記録を残したいならば、本ではなく外に記録しましょう。
ここでは読書の記録ができる3つの方法を紹介します。
目次をマーキングする
手書きで読書ノートを作る方法は、ノートとペンがあればすぐに始められます。
読みながら記入しても、読書中は付箋などで該当箇所がわかるようにして、終わってからゆっくり書いても自由です。
読書ノートには、以下のようなことを書くのがおすすめです。
- タイトル
- 著者名
- 出版社
- 読んだ日
- 感想
これらの項目をテンプレートとして、読書ノートを作りましょう。
他にも細かく記録したい人は、以下のような項目を付け加え、好きなように工夫してください。
- 表紙を写真に撮って貼る
- 初版発行日
- 本を選んだきっかけ
- あらすじを要約する
- 心に残った一文
- 自分ならこうするなどの意見
- イラストや図解
- 参考文献リスト
- 本から得た学び など
もっと簡単にしたい人は、タイトルとひと言感想だけでも構いません。
決まった形はないため、続けられるやり方で読書の記録を残しましょう。
手書きすることにより記憶に残りやすくなり、記録しようと意識するため理解も深まります。
また、ノートを開けば整理された内容が手に入り、必要な情報を逃しません。
過去の読書記録を振り返りたいときにも、思い出や当時の感情と共に見返せる楽しみがあります。
続けていくとノートが溜まっていき、これだけの本を読んだという自信にもつながるでしょう。
読書アプリ
電子書籍が読めて、本の記録ができるのが読書アプリです。
紙ではなく電子書籍で利用するため慣れが必要ですが、本を汚さず記録できるという点では間違いありません。
アプリによって機能はさまざまですが、あると便利な機能は以下の通りです。
- メモ機能
- マーカー機能
- カテゴリ分類機能
- 辞書機能
特にメモ機能、マーカー機能は紙の本に記入する感覚で使用できて、今まで本に書き込むのを躊躇していた人はぜひ使って欲しい機能です。
端末があればどこでも使えて、気軽に始められるのも魅力です。
使っているスマートフォンでの利用もできますが、読書アプリのための専用端末もあるため、使いやすい方を選びましょう。
読書管理アプリ
本の管理ができる読書管理アプリもあり、こちらは紙の本に対応しています。
バーコードで本の情報を一括登録できて、調べる手間が省けます。
読書量のデータがグラフで見れたり、分類方法も細かく設定できて自分好みの本棚が作れたり、アプリによって特徴があるため、やりたいことができるかを調べながら選ぶのもまた楽しいものです。
メモ機能、レビュー機能では感想などを書けて、他のユーザーと共有や交流ができます。
他の人の感じ方や意見の違いを知れて、新しい視点を得られるかもしれません。
文章に直接マーカーする機能はほとんどありませんが、手書きの読書ノートのように感想を書き込むことはできるため、使い方は工夫次第です。
まとめ
本に線を引く、についてはメリットもデメリットもあり、どちらが良いかは人によって違います。
直接線を引いて自分のためだけの本を作るのも、読書ノートやアプリを使って独自のまとめを作っても、記録の仕方は自由です。
感想や意見に特化したアプリで、他のユーザーの意見と比べて学ぶのも良いでしょう。
いずれの方法も読んだ本の内容を自分の言葉で表現して、得た知識を整理する作業が必要です。
それによりもっと読書の幅を広げて、読書ライフを楽しんでください。
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